I choose to go to the moon!~かぐや姫との一夜~【スタッフ・ガイヘル日記】

2019-04-08

そのご利用者はいつも決まって満月の日に短期入所へいらっしゃいます。
幼い頃に読んだ世界に誇る名作ファンタジー「かぐや姫」を想わせるような、
それはそれは可愛らしい女の子です。

姫を乗せた駕籠を担ぐ駕籠かきのように、
車椅子に乗ったこげらのかぐや姫を古今東西あちらこちらへお連れし、
短期入所に宿泊する際も、私はほぼ毎月ご一緒しております。

「まぁ何て端正で可愛らしい御顔かしら」
などと、お出掛け先で出逢ったマダム達にと褒められ過ぎて、
傍にいる私が照れくさくなることもしばしば・・・
・・・それほど愛らしいご利用者です。

そんな彼女の朝食はきまって「まんまるお月さまのような蒸しパンと牛乳」
雲の狭間に見え隠れする満月みたく、蒸しパンを牛乳に浸して食べるのがお決まり。
その日の夕食は、まんまるふっくら黄色の卵を白いごはんにかけた天津飯。
満月を愛するかぐや姫、食は割と細い彼女も、天津飯はペロッと召しあがりました。

ご飯もお風呂も済んで「さぁ寝ましょうか」と消灯すると、
それまで声ひとつあげなかった彼女が豹変します。
初めてご一緒した時は「満月の夜は寝ない」と人づてに聞いていて、
静かに満月眺めながら物思いにふける・・・
奥ゆかしい姿を想像していたのですが、そんなものではございません。

布団の上を這いまわり、窓際へ近づいて行ったかと思うと、
身体を揺らし、勢いをつけた腕でシャーっとカーテンをあけるのです。
しかし身体の勢いをうまくコントロールできず、
カーテンを開けた反動で不本意にもカーテンを閉めてしまう。
・・・そんなことを夜通し繰り返すご利用者。

アパートがたちふさがり満月はみえないので「残念、みえないね」
とご利用者の気持ちを代弁しつつも、入眠を促す私・・・
それでもZOZOTOWN社長みたく「I choose to go to the moon!」
と言わんばかりに、窓外を眺め続けるご利用者・・・

月と交信するかのようにケラケラと笑いだしたかと想えば、
ウサギのようにピョンピョン飛び跳ね、「ウォーッ!」と月に吠える。
その姿は日中とはまるで別人のようです。

すっかり夜も更けて丑三つ時、夢うつつの私は幻想か現実かも分かりません。
満月ではなく街灯にぼんやりと照らされた暗がりのなか、
幻影のように浮かび上がる、激しく揺れる少女の姿・・・
「前澤社長、どうか彼女を月へ連れて行ってあげてください・・・」
と祈りつつ、私は眠りに堕ちるのでした・・・おしまい。(kelly)

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