その人を思うということ【スタッフ・ガイヘル日記】

2019-06-03

(主に知的障がい・ASDの)ガイドヘルパーになって1年が過ぎました。
養成講座で学んだり、本を読んだりして、頭ではわかっていたけれど、
まだまだ身についてないな、支援をするのって難しいな・・・
と、改めて思う出来事があったので、お伝えします。

ガイドでは必ずお買い物をしてから帰ると決めている女性ご利用者。
お会いするのは2回目で、初回のお買物先はお任せだったのですが、
今回は朝から繰り返し「せっけん、せっけん」と言っていたので、
まずはドラッグストアと雑貨屋さんへ行くことに。
(雑貨屋さんは、以前別のヘルパーと行ってとても喜んでいたお店)

「せっけん」は、ドラッグストアの石鹸コーナーに行き、
とても綺麗な色の容器のハンドソープを選びました。
雑貨屋さんは目の前に行ってみたものの入られず、
いつものルーチンになっている、ユ〇クロのTシャツを買いました。

もうそれで満足したようで、「お昼は何食べる?」と聞いても、
「電車」と「〇〇(彼女の最寄り駅)」と繰り返し私に伝えてきます。
(もう用は終わったので帰りたいという意思表示です)

しかしガイド終了予定時間までまだまだ時間がありました。
お昼ご飯を食べないと、私もご利用者もお腹が空くなと考え、
飲食店に通りかかる度に、「おいしそうですね、これはどうですか?」
などと、少ししつこいくらいに何度か誘ってみましたが、
「電車」、「〇〇」、「あとで」と、私の手を強く引っ張って進みます。

時間もかなりあったので、電車で別のところへ移動することにしました。
移動したら食べる気になってくれるかなと、いろいろ声を掛けましたが、
「あとで」、「○○!」と、やはり私を引っ張って歩きます。
「そんなに帰りたいのかあ?」と思いつつ、電車に乗りました。
別方向に行くのは申し訳ないと思い、最寄り駅を経由する路線に・・・

電車に乗ってしばらくすると「電車」、「○○」とは仰らなくなり、
なんだか不満そうな顔つきになって、お腹をポンと叩きました。
もしや・・・と思い、「お腹空いた?」と聞くと、「ごはん」とつぶやきました。

「ごはん!」とはっきりと言って、早く食べたそうにそわそわしだしました。
ご利用者が主張していた自宅の最寄駅が近付いてきたので、
「△△(最寄り駅よりかなり先の駅)でご飯にしましょう。△△で降りましょうね」
と、念のために声をかけました。
最寄り駅に着いても、降りようとしなかったので、
私が話した△△駅でお昼ご飯ということを分かってくれたのだと思いました。

その時に、私はやっと気づきました。
さっきの時点では、ご利用者にとって「ごはんの時間」ではなかったのだと・・・
先ほど、少ししつこく昼食に誘ってしまったことを後悔しました。

△△駅に着くと、「ごはん」と言いながら嬉しそうにお店に入り、
二人で美味しくお昼ご飯を食べることができました。


思えば、行った先で時間になったら必ず食事をするという決まりはないし、
その場所・時間でお昼ご飯を食べるというのは、私の都合にすぎないのです。
自宅に帰りたいという気持ちには、場合によって沿うことができないものの、
最初から素直にご利用者の言う「電車」、「あとで」に従えばよかったと思いました。

コミュニケーションにハンディキャップのない方であれば、
「今はお腹が空いていないから、後で食べたい」とか、
「家に帰りたい」、「○○に行きつけのお店があるのでそこでお昼にしたい」
「ここは人が多いから、静かなところに行きたい」などなど、
自分の思いを正確に伝えることができます。

しかし、知的障がい等のハンディキャップのあるご利用者は、
なぜ○○をしたいのかまで、うまく言葉にできなかったりします。
「あとで」や「電車」という単語に、その時々の思いが込められるのです。

なぜ?どのような意図でその言葉が出てきたのか?
本当はどういう気持ち・状態なのか?

ガイドヘルパーに限らず、全ての支援者はその言葉を安易に受け取らず、
その都度その都度でしっかりと向き合い・考えなくてはならないのだなと
改めて気付かされた出来事でした。
こげら会の理念である「その人らしく生きぬく」
本人主体の生活を支援するために、忘れずにいたいと思います。(hoko)

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