命を預かる【スタッフ・こげら日記】

2024-07-08

行動援護を利用して、歯科通院の付き添いに行きました。(※1)
3か月に1度の、歯のクリーニングを行います。

ご利用者は診察台に横になり、
指先に小さな装置を取り付けられていました。
新型コロナウイルスが流行した際に見たパルスオキシメーターのようです。
何のため?と疑問に思いましたが、黙って傍で見守っていました。

虫歯になりそうなところがないか確認して、
歯を磨いてフッ素を塗ってもらいます。
ピッピッピッ…と規則的な音が聞こえています。

ふと、電子音がピッ…ピッ…ピッ……とゆっくりになり、
先生が手を止めました。

ご本人を見ると、穏やかにしています。
普段と変わりない姿。

「息を吸ってくださいね」「大丈夫ですよ」
先生が声をかけても、電子音はなかなか戻りません。

ゆっくりと時間をかけて、ご本人に呼吸をしていただき、
電子音は少しずつ正常な範囲に戻っていきました。
苦しいと言わず、いたって平穏な姿にこちらが呼吸を忘れる思いでした。

ASDの障がい特性として感覚の鈍麻が挙げられることがあります。
私は、今までその特性に懐疑的でした。
かつてそうした言説が、強制不妊治療を推進する一端にあったと
学んできたことに関係しているからだと思います。

彼女がほんとうに痛みを感じないのか、
感じていてもそれを伝えるという前提がないのかはわかりません。
苦しいと、言葉で伝えてくれることは、今後もないでしょう。
言葉でなくても、表情や仕草で伝えてくれたらどれほど安心できるでしょうか。

彼女だけではありません。
日頃よくお会いしているご利用者のことだって、
どれだけ理解できているのかふと不安になりました。

ガイドヘルプは1対1でご利用者と接する、人の命を預かる仕事です。
不安に負けないだけの経験と根拠を、
今後も積み重ねていこうと実感した日でした。
(ynn)



(※1)通常、定期的な通院は通院介護の支給で行われます。
行政の許諾のもと、行動援護の支給で通院に行って


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