気持ち【スタッフ・こげら日記】
2024-09-30
初めてガイドヘルパーの仕事をはじめたとき、ただ漠然と怖かった。
だって1対1で知らない人とお出かけをするのだから。
ましてや事前に『急に走り出すことがあります』とか、
『自分の手を噛むことがあります』とか、
そんな情報ばかりが頭に入ってくるのだから。
その怖さの理由をそのときは知らなかったけれど、
いまはそれが“わからないから”だとわかる。
「急に走り出す、ってどうして?」
「自分の手を噛む、ってどうしたらいいの?」
いろいろな疑問が湧いてくるたびに、ベテランヘルパーに聞いてまわった。
そうするとA4用紙1枚の淡白な情報じゃなく、
一緒にお出かけをした2人の、血の通った経験に置き換わっていく。
「急に走り出すのは、気になるものがあるからなんだ」
「自分の手を噛むのは、自分の思っていたことと違ったからなんだ」
経験を聞くたびに、いま目に見えている“行動”だけじゃなくて、
その人の行動の裏に隠れている“気持ち”に
目を向けなければならないんだとわかった。
パッと見ただけでは突拍子もない行動に見えるけれど、
ちゃんとその人の気持ちを感じ取れれば、
もうわからなくなんかないし、怖くはない。
・・・本当は、少し心配はあるけれど。
でも、これからはちゃんと自分の経験を新しいヘルパーさんに伝えて、
みんなで“わかっていく努力”ができたらいいなと思う。
(saikoro)