さながらカメレオンのように【スタッフ・こげら日記】
2025-03-31
利用者さんとカラオケに行ったとき、
カラオケスタッフと利用者さんで少し険悪なムードになりました。
利用者さんは思っていることを伝えたいのに、
遠回しな言い方になってうまく伝えられなかったのです。
支援者として、カラオケスタッフに
利用者さんの言いたいことを伝えようと思いましたが
「待てよ?」と踏みとどまりました。
言いたいことを支援者が伝えることは簡単だけれど、
利用者が自分で伝えることができなかったと失敗体験にならないか。
そう思い、カラオケスタッフに話しかけるのではなく、
利用者さんに問いかけました。「〇〇さんはどうしたいですか?」と。
すると利用者さんのうまく伝えることができなかった気持ちが
簡潔に出てきます。
最後に「つまり〇〇ということですね」とまとめると、
その会話を聞いていたカラオケスタッフが
「(ああ!そういうことか)」と意図を理解してくれて、
2人のやり取りがスムーズに行われました。
支援者は一度もカラオケスタッフとやり取りをしていませんが、
支援者の意図をカラオケスタッフに伝えることに成功しました。
利用者さんも、支援者がカラオケスタッフとの間に介入することなく
自身の思っていることを伝えられて嬉しそうでした。
すべての場面で利用者さんの意図を表出する手助けをするのが
良いかと言われるとそれは間違いだと思います。
利用者さんによっては直接伝えたほうが安心する方もいますし、
どれだけ手助けをしても意図を表出することが難しい方もいます。
ガイドヘルパーは、利用者さんをしっかり見て
どこまでの支援が必要なのか、
どの支援方法が適切かを見極めなければいけないと思います。
そうやってひとりひとりの利用者さんと向き合いながら、
環境やその人によってカメレオンのように
色を変えていかなければいけない仕事です。
よく障がい者支援で“こだわり”という言葉が使われますが、
本当に“こだわり”という凝り固まった思考を捨てなければいけないのは
支援者のほうかもしれません。
柔軟に変化していきたいと感じます。
(saikoro)